耳疾患
外耳道異物、外耳道掻痒症、耳癤・外耳道炎、複雑耳垢、耳垢栓塞、外耳道真菌症、鼓膜外傷、鼓膜炎、急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性穿孔性中耳炎、良性発作性頭位めまい症、めまい症、血行動態性椎骨脳底動脈循環不全、メニエール病、 突発性難聴を含む急性音響性難聴※1、老人性難聴、ベル麻痺、ハント症候群 など
※1 突発性難聴を含む急性音響性難聴は、重症度が高ければ、入院治療を行ったほうが良いと思っておりますので、拠点病院へのご紹介となります。又、その他の疾患も入院や手術室での手術を行った方が良いと考えられる場合は、拠点病院へのご紹介となります。

鼻・副鼻腔疾患
鼻出血、鼻腔異物、鼻前庭湿疹、鼻癤、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎・ 血管運動性鼻炎・薬物性鼻炎などの慢性鼻炎、 感冒後嗅覚障害、急性鼻副鼻腔炎、鼻茸、慢性副鼻腔炎 (非好酸球性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎※2)、小児副鼻腔炎、歯性上顎洞炎 など
※2 好酸球性副鼻腔炎は出来るだけ内服薬等での治療を行いますが、手術室での手術や抗体製剤の注射を行った方が良いと考えられる場合は、拠点病院へのご紹介となります。

口腔・咽頭疾患
口内炎、舌炎、口腔咽頭真菌症、急性扁桃炎、扁桃周囲炎、慢性扁桃炎、咽頭異物、急性咽頭炎、慢性咽頭炎、大唾液腺の急性炎症 など

喉頭疾患
急性喉頭炎、急性喉頭蓋炎※3、慢性喉頭炎、咽喉頭異常感症、喉頭アレルギ 一、声帯ポリープ※4、声帯結節、喉頭肉芽腫、ウイルス性反回神経麻痺※5 など
※3 急性喉頭蓋炎は、重症度から入院治療を行った方が良いと考えられる場合は、拠点病院へのご紹介となります。
※4 声帯ポリープは、手術室での手術が必要な場合は、拠点病院へのご紹介となります。
※5 ウイルス性反回神経麻痺も発症から半年~1年で改善が見られなければ、手術室での手術を行わないと嗄声は改善しない為、拠点病院へのご紹介となります。

頭頸部疾患については、悪性腫瘍が疑われる場合は、すぐに拠点病院へのご紹介となります。
良性腫瘍が疑われる場合でも、当院は頸部超音波検査や頸部造影MRIの対応が出来ない為、精密検査目的で拠点病院へのご紹介となります。
甲状腺腫についても、当院は頸部超音波検査機器が無く、他院へのご紹介となります。
病気とその診断・治療
急性中耳炎に対して
・小児急性中耳炎
標準的な医療ガイドラインに基づいて診療を行っています。
・成人急性中耳炎
ペニシリン系の抗菌薬を処方します。必要に応じて鼓膜切開を実施します。
慢性耳管狭窄症に対して
耳管通気を行います。
滲出性中耳炎に対して
・小児の場合
鼻の処置を行い、必要に応じて薬を処方します。症状が長引く場合は、ご自宅で風船を使った自己通気を行っていただきます。その他の対応は、ガイドラインに準じて行います。
・成人の場合
まず耳管通気と薬の処方を行い、改善が見られない場合は、鼓室穿刺→鼓膜切開の順で治療を進めます。
めまい平衡障害・
急性感音難聴に対して
当院では、原因の診断につながる病歴の聴取を重視しています。
神経耳科学的検査に加え、独自に作成した問診票を活用し、原因を推測します。その上で、薬の処方だけでなく、推測される原因について患者様自身にも改善に取り組んでいただけるよう促しています。
・めまい症に関して
中高年の患者様においては、頭部MRI/MRA(現在、国立栃木医療センターとのMRI共同利用を準備中)による精密な画像検査を行うと、脳の動脈硬化性変化が強く見られることが多くあります。
また、脳の微小循環に悪影響を及ぼす血液の状態や、自律神経の不調が背景にあることも少なくありません。
慢性の非拍動性耳鳴に対して
聴力検査などで特に問題が見つからなかった場合は、標準的な医療として、リーフレットを用いた教育的カウンセリングなどを行い、耳鳴りが気にならなくなることを目指しています。
加齢に伴う生理的変化である
老人性難聴に対して
認定補聴器専門店「リオネットセンター店」様のご協力のもと、補聴器外来を実施しております。
※受診にはご予約が必要です。
末梢性顔面神経麻痺に対して
顔面神経麻痺で耳鼻咽喉科を受診される患者様の多くは、詳細に診察すると経験上「不全型ハント症候群」であることがほとんどです。
鑑別診断の結果、ハント症候群と診断され、手術が必要ないと判断される場合には、抗ウイルス薬(帯状疱疹に対する用量)やステロイドなどによる内服治療を行っています。
大人(中高年齢者以上) の
鼻出血に対して
再出血を防ぐため、できる限り出血点を特定し、以下のような処置を行っています。
- 吸収性止血剤の鼻内留置
- 電気凝固装置(アルサトームSU+バイポーラフォーセップ)を用いた微細な動脈性出血点の粘膜焼灼術
動脈性出血が疑われるものの出血点が確認できない場合には、抗菌薬入り軟膏ガーゼによるタンポン留置処置を行います。
アレルギー性鼻炎に対して
特にスギ・ヒノキ花粉症のシーズンには、鼻内所見に加え、鼻アレルギー診療ガイドラインに記載された病型・重症度分類をもとに、症状に応じた治療薬の組み合わせを検討します。
※スギおよびダニに対する舌下免疫療法については、現在外部環境の整備を進めております。
風邪・急性鼻副鼻腔炎
急性咽喉頭炎に対して
鼻やのどに対する局所処置と鼻副鼻腔ネブライザー治療、および薬の処方を行います。
副鼻腔炎や咽喉頭炎については、症状や所見に応じて抗菌薬を処方します。症状が強い場合には、より効果の高い抗菌薬を使用します。
慢性の後鼻漏
慢性の上咽頭炎に対して
耳鼻咽喉用内視鏡を用いて後鼻孔付近の少量の後鼻漏を描出します。また、後鼻漏の出どころであるわずかな副鼻腔炎病変をCTで検出します。(現在、国立栃木医療センターとのCT共同利用を準備中)
非好酸球性の慢性副鼻腔炎であれば、他科の服用薬との飲み合わせに問題が無ければ慢性副鼻腔炎に対するマクロライド系抗菌薬少量長期療法(+ネブライ ザー治療)で症状の改善を図ります。
必要に応じて血液検査を実施し、好酸球性副鼻腔炎が疑われる場合には重症度を分類し、軽症~軽度の中等症に該当する場合は、上記治療に加えて薬の種類を増やすなどの対応を行います。
嗅覚障害に対して
原因を診断した上で、薬物療法に加え、毎日自宅で4種類の匂いを嗅ぐ嗅覚刺激療法を行っています。
急性扁桃炎に関して
抗菌薬の処方が必要なことがほとんどです。
声がれに対して
診療所でみられる声がれの多くは風邪に続発するものです。
内視鏡を用いて、声帯の炎症所見(急性白苔所見など)を確認・ご説明したうえで、「声の衛生」を重視した指導を行います。また、喉頭の炎症を長引かせている原因として、急性鼻副鼻腔炎による後鼻漏が認められる場合は、その治療をあわせて行います。
喉の違和感に関して
消化器領域のデータによれば、日本人成人の10~20%が胃食道逆流症に罹患していると推測されています。
そのためか経験上、喉の違和感を訴える患者様において、以下の方法・所見により胃酸の逆流である咽喉頭酸逆流症と診断されることが多いです。
- 胃食道逆流症の診断用問診票
- 咽喉頭酸逆流症の喉頭内視鏡による所見
- 咽喉頭酸逆流症の治療的診断
また、喉の違和感の原因には以下のような疾患も含まれます。
副鼻腔炎の後鼻漏、喉頭嚢胞、扁桃肥大、喉頭蓋変形、癌、喉頭アレルギー、甲状腺疾患、頸椎疾患、茎状突起過長、虚血性心疾患や大動脈瘤といった全身疾患など。